一刀両断 実践者の視点から【第403回】
NEWS児童相談所を責めてはいけない
《児童虐待、東京都内で14人死亡 児相が母親の対応中に父親が暴行も》(朝日新聞社)という見出しの記事で報じられた現実を知ってどのように感じるだろうか。
親になりきれていない親を一方的に責める事が出来るだろうか。「親学」を推進する方がいるが、親になる前にすなわち生徒・学生の内に学ぶ事を避けているからではないだろうか。また、教育課程の中に組み込まないのも不思議に思える。
児童相談所へのバッシングが起きるが、こうした人事や配置をしているのは、所属職員ではない。組織がそのように決裁しているのである。
その担当する案件の多さには驚嘆する。それが分かっていても目立った票にならない部署には人も金も配当しないのが現実である。児相を一方的に責めるのはお門違いである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)