都教委、高校生らに採用セミナー 900人以上が参加 教職の魅力伝える
NEWS 東京都教委は15日、教職に興味を持つ高校生以上の人を対象にした採用セミナー「TOKYO教育Festa!」を開いた。社会人向けの転職相談や高校生対象の授業づくり体験など19のブースを設けた。若手教員から1年目の体験談を聞けるブースや給与・待遇の説明ブースには多くの人が集まった。
セミナーは昨年に続き今回が2回目。教員志望の大学生を中心に913人が参加した。
「教えること」の楽しさを知ってもらおうと今年から始めた、高校生を主な対象にしたワークショップでは、5分間のミニ授業を数人のグループで考えた。東京都教職員研修センターの職員を講師に、参加者自身が「受けたい授業」「受けたくない授業」はどんなものかを考えながら授業づくりに取り組んだ。
ワークショップに参加した高校生は「授業を考えるのは難しかったが、試行錯誤しながらできた」と話した。
授業づくり研修を実際に体験できるブースも設け、参加者が指導主事の模擬授業を子どもの立場で聞き、良かった点と改善点を考えた。講師の指導主事は「授業研究では改善点を考えることが大事だ」と訴えた。また教員研修が充実していると説明し、「安心して教員になってほしい」と呼び掛けた。
体験ブース以外にも、それぞれの校種の仕事や勤務条件などについて都教委職員や現役教員から説明を聞けるブースもあった。勤務条件についてのブースでは担当者が「噂ではなく、正確な情報を知ってほしい」と語り、多くの参加者が耳を傾けた。教員1年目の体験談を紹介するブースでは、若手教員が「初任者がうまくできるはずがない。どんどん周りの先生に教えてもらうことが大切だ」と語った。
社会人向けの転職個別相談コーナーや臨時的任用教員・時間講師案内コーナーにも多くの人が訪れた。鉄鋼業界で働いているある男性は、大学時代は他の授業との兼ね合いで教員免許を取らなかったが、現在、中学校の技術科教員を目指して勉強をしている。「教員になったら生徒に楽しんでもらえる授業をしたい」と言う。
都教委人事部選考課の布施竜一課長は「教員が第一志望の人だけでなく、第二、第三希望の人にも教員を一つの選択肢としてもらいたい」と話す。