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一刀両断 実践者の視点から【第382回】

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本質に届かぬ仕事

 《「危機的状況」にある教員の働き方の改善求め、文科省が教育委員会に通知 中教審の提言受け「慣例的な部分をやめる」言及》(東洋経済education × ICT)という見出しの記事に、今頃気がついたのかと、ため息が出た。
 このような実態認識にはいつも呆れてしまう。分かりきっている事を指摘して改善できないからである。
 今回も削れるものは削り、仕事を仕分けして負担を軽減しようと言う姿勢は見られるが、何故、教員志願者が激減してからやるのかが理解できない。
 窮地を想定して先手を打たない、悪影響が出てからしか行動しないという慣例があるのでは無いだろうか。その慣例こそ直すべきで、元が濁れば下流はもっと濁ってしまうのが道理である。
 それにしても中教審の構成員は現場をどの程度、知っているのだろうか。不登校やいじめがスクールカウンセラーを配置しても何ら改善されていない現状をどう説明するのだろうか。
 「手を替え品を替え」でも本質には届いていないお役所仕事になっている事を恥ずべきではないだろうか。
 一番は、仕事に見合った給与を、よくわからない仕事をしている国会議員から削除して、教員へ回すべきではないだろうか。そうした視点で切り込まないと慣例が根本的に変わる事はないだろう。頑張れ中教審、あなたたちに期待するしか術はないのだから。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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