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一刀両断 実践者の視点から【第364回】

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議員の逮捕と主権者教育

 《「スーパークレイジー君」不同意性交等致傷の疑いで逮捕の西本誠容疑者 宮崎市議会が議員辞職勧告を決議》(TBS NEWS DIG)といった見出しで、本件が報じられている。民意によりトップに近い位置の得票数を得ていたにもかかわらずこの様である。
 そこまでを見抜けなかったと言い訳をしたい気持ちも分からないわけではないが、それにしてもこの民意には呆れてしまう。
 そのほとんどが浮動票で珍しさや政治への期待感の低迷からこうした判断になったのではないかと同情は出来るが、青年に主権者教育の立場からだったら説明がつくだろうか。
 ましてや青年がこうした人物に投票するような主権者教育しかできていないとしたら、その教育の意味はない事になる。
 公平を期す為に実際の候補者や政党について論議をしないのが日本の主権者教育事情で、本物の投票箱を使った場面がメディアに取り上げられるが、その程度なら小学校低学年でも出来る事ではないだろうか。
 ドイツはナチスを選択した経験から実際の候補者や政党の政策について論議する主権者教育になっている。
 どうも日本の場合は、公平性を掲げて介入しないように意図的にしていると感じるのは私だけだろうか。公平なら義務教育がこれほどに地域によって格差が起きている事実から改めるべきではないだろうか。
 校長の裁量で使用できるお金の額を比べたらはっきりする。これも政治や行政が教育の上に君臨している弊害ではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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