「生命の安全教育」テーマ別に事例を紹介
9面記事子どもの未来社
子どもの未来社はこのほど、「授業で使える『生命の安全教育』事例集」(水野哲夫著)を刊行した。令和3年に文科省が発表した「生命の安全教育 指導の手引き」を踏まえた学習内容を扱っている。「生命の安全教育」とは、本書では性暴力に関わる安全確保のための教育と考える。
著者は、高校で「性と生」の授業を実施後、大学でもセクソロジー関連科目を担当。文科省の発表した指導マニュアルや教材には事例集が不足していると感じ、執筆したという。「生徒たちとともに人間の性について、性と人権について、からだの権利について、考え深める機会になること」が狙い。
本書はテーマごとに、事例、学習ポイントの他、授業を進めていく際に参考にするポイント、資料・データを掲載している。
事例集の中の「被害を打ち明けられたら」というテーマでは、親しい友人が性暴力の被害に遭ったと聞いたときに理由を問い詰めたり、訴えようと言ったりするという行動に対し、まずプリントで考えさせる。次に、被害を打ち明けられたときに取るべき行動や、打ち明けられた人の反応を「考え合うポイント」として解説する。「発展的学習のヒント」として、「性暴力実態アンケート」の回答結果なども紹介。
テーマには他に、「SNSによる被害」や「スクールセクハラ」「保護者・監護者による加害」などがある。
B5変判、88ページ、定価1870円。
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