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一刀両断 実践者の視点から【第358回】

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後世に残すべき教材

 これが事実であったなら前代未聞の出来事となるだろう。その記事は、《水道も風呂もないプレハブに住み働くも給料支払われず 知的障害者の年金搾取か 牧場経営者と恵庭市に9300万円余り損害賠償》(UHB北海道文化放送)という見出しである。
 元市議会議長が経営者という。現代にあってこうした奴隷のような扱いが放置されて是正されない事実があったとしたら日本の人権や政治や行政はドン底に落とされたように感じられる。
 障害者差別解消法やインクルーシブ教育が進展してきていると私自身が体感していただけに驚きと怒りと倫理観や道徳心の虚偽を感じている。
 こうした関係者が特権階級化されてそれに迎合した面々が居たとするなら、時代は数世紀舞い戻るのではないだろうか。
 気になるのはこれらの事が事実とした場合の懲罰の程度である。こうした事案がない為に極めて軽度に処理されはしないか。
 事実を知っていても動かなかった面々の無責任と無関心も指摘したい。この非人道的な出来事が事実ならば、日本人としての恥部として広く論議し後世に残すべき教材として扱うべきではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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