ポストがぽつん
14面記事北川 チハル 文
小池 アミイゴ 絵
長い間使われずに、眠りについていた赤いポスト。嵐に遭って海の中に落ちたが、そのことに気付かない。
しかし、海の生き物たちはびっくりして、周囲に集まる。カメが「これはおてがみをだすものじゃ」と教えた。
そこで、魚たちは貝殻に声を吹き込み、「つむじ風」宛ての手紙をポストに入れた。手紙が入って目を覚ましたポストは、泳ぎ出し、つむじ風を見つけて手紙を渡す。魚たちからつむじ風へのお願いは、風に乗って空を飛ぶこと。
その願いはすぐにかなえられ、ポストも一緒に舞い上がり、今度は森に落ちてしまう。ここでもまた手紙が寄せられ、ポストを介してさまざまな願いがかなえられていく。
作者は、声を上げれば必ず聞いてくれる存在がいるということを伝えたくて執筆した。(小学校低学年から)
(1650円 アリス館 Tel03・5976・7011)