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一刀両断 実践者の視点から【第354回】

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学生が真価を決める

 言い訳と残念だの言葉だけが印象に残った会見になってしまった。かなりのお粗末感がある。役員に女性を増やしたとか言って改革をしているパフォーマンスや法の元番人を登用して繕っても体制は変わらず、コンプライアンスの希薄さは何も変わっていないし、さらに形骸化や権力への腐敗は浸透しているように感じられる。
 その特徴は「残念だ」と言う言葉に表れている。作家だからこそ、不適切な使い方である事に気がついて欲しいものだが、その感覚さえ失ってしまったことが分かる。
 反面、自分は素人だから学長や副学長を信頼して分担したような発言があったが、それも逆効果でそれぞれの腹の中が見え見えになり、不適切な言葉が次々に放言された会見となった。
 質問する側は冷静すぎるぐらいに丁寧で、利害関係でもあるのかと思われる程にいつになく紳士的に感じられた。
 「残念」を連発するたびに、前段の謝罪が形だけで本音は不本意だと強調していると思えた。私は正しいから誤解を受けてしまうのは残念なのよと言いたいのだろうが、そう言い訳するあなたの方が「残念」に感じられてしまう事を予測できないのだから作家としての力も疑われてしまう。
 こうした人事をしたメンバーのスキルの低さは指摘されにくいから、首の挿げ替えになる。責任が自分にあると思えない輩が医師、検事、作家と首を並べて判断力なし人間力も決して高いとはいえない日本の最大大学なのだから教授も学生も母校を誇りとしてこれから語れるだろう。どこの大学出身ですかと聞かれたら、あの大学です、そうなんだ、で会話が止まるのではないだろうか。大学の本当の真価は学生が決める。学生の活躍でしか改善はされない。若い力で見事に挽回して欲しいものだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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