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僕たちの部活がなくなる?だったら自分で放課後をデザインしよう!

18面記事

書評

青柳 健隆 著
主体的に考え動くためのワーク

 部活動の地域移行が進められている。しかし、受け皿の問題をはじめ課題山積である。スムーズに移行できるか先行き不透明だ。
 本書では、まず部活動の地域移行について中高生に分かりやすく解説しているが、小学生でも理解できる内容になっている。初めに部活動の明るい未来、暗い未来について述べ、そもそも部活動とは何かについて「部活動のリアル」として解説している。その上で部活動以外の選択肢にも触れている。
 さらに「放課後の自由時間、どんな過ごし方を選ぶ?」ということでパーソナルコーチングの理論を土台にした六つのワークを提示している。これにより中高生が自ら放課後をデザインする仕掛けとなっている。
 昨今、子どもの権利という視点や多様性の尊重ということが強調されている。その意味で大人が提供するプログラムではなく、中高生自らが主体となって、活動を立ち上げていくことも必要だ。また従来の学校部活動だけでなく、さまざまな活動の場があっていい。
 以前から中学入学への期待の一つに部活動があり、生徒の中に部活動に入部していないと恥ずかしいという風潮もあった。それも放課後活動の選択肢が部活以外には習い事や塾など少数しかないからである。部活の地域移行だけでなく、地域の中で中高生が活動する場も増やす必要がある。
(1760円 旬報社)
(中村 豊・公益社団法人日本教育会事務局長)

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