エネルギー・ライフラインを取り上げた授業の実際
20面記事北 俊夫 編
小学校社会科での指導事例を提示
小学校社会科での飲料水、電気、ガスを供給する事業、自然災害から人々を守る活動(4年)、工業生産に関わる人々の工夫や努力、貿易や運輸の働き(5年)などの学びを「エネルギー・ライフライン教育」に位置付け重視し、日本教育新聞社と日本ガス協会が学習プランを含む指導計画、活用資料を「授業支援パッケージ」として提起した前著『小学校社会科におけるエネルギー・ライフライン教育』を「理論編」とし、その活用に焦点を当てた本書を「実践編」として刊行した。
「『授業支援パッケージ』を活用した実践事例」(1章)と「各地の特色ある実践」(2章)に10の指導例を掲載。教師たちが授業に込めた思い、授業での子どもたちの反応・様子、授業後の振り返り、編者によるコメント(1章のみ)を添えた。理解を深めるワークシートや参考資料を含む「授業支援パッケージ」、地域にあるガス会社などが提供する実物資料を、それぞれどの場面でどう活用し、子どもたちの学習を活性化させたかがよく伝わる。
飲料水、電気、ガスの大切さ、災害時のライフラインを身近な課題と捉えさせ、複合的に学ぶことの必要性も実感できよう。また、北海道の暮らしに欠かせない灯油など、地域実態に応じ、指導する内容をアレンジし、さらに指導方法もさまざまな工夫が施されている事例を読むことで、後に続く教師の指導にも刺激を与えてくれるのではないか。
(1980円 日本教育新聞社)
(矢)