離島の学校実践など紹介 全国連合小学校長会教育研究シリーズ第61集発行
4面記事 全国連合小学校長会はこのほど教育研究シリーズ第61集を発行した。主題は、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指す学校経営I」。序論などを含め全国から25の提言や実践事例が寄せられている(肩書などは令和4年度現在)。
川路勇策・鹿児島県長島町立獅子島小・中学校校長は、「離島の小規模小中一貫校の特色を生かした教育活動」と題して取り組みを紹介している。
獅子島の人口は700人未満で、同校の昨年度の児童・生徒は51人。島には高校がないため中学卒業と同時に「島立ち」(社会的自立)をしなければならない。15歳で巣立つときに、島への誇りと感謝の気持ち、島外の生徒と切磋琢磨できる自信とやる気、コミュニケーション能力などを身に付けさせることが大きな目標だ。
具体策の一つは、獅子島の本物に触れる体験活動。例えば、島の釣り名人を訪ねて一緒に釣りをし、生徒同士で「大物賞」と「大漁賞」を競う釣り大会などをしている。他にも多様な異年齢交流の場を設け、「獅子島太鼓」などにも取り組む。
海川覚・愛知県清須市立西枇杷島小学校校長は、過去に豪雨に見舞われ、床上浸水を経験した同校での危機・防災意識を高め、学びを保障するための諸活動をまとめている。
第61集ではこの他、新型コロナ下の学校経営の記録を複数掲載している。
定価は1986円。 問い合わせ=第一公報社 Tel03・6801・5118