小学生の体験活動に奨学金 民間団体が資金募る
2面記事 家計状況によって小学生の学校外体験活動に格差が生まれているとして、公益社団法人のチャンス・フォー・チルドレン(東京・墨田区)は4日、「体験奨学金事業」を始めると発表した。生活困窮世帯を対象に、スポーツ、文化芸術活動、キャンプなどの参加費として利用できる電子クーポンを贈る。本年度から3年間にわたって千人に提供しようと、同日からクラウドファンディング(3面「Wordプラス」に「クラウドファンディング」)による資金集めを始めた。
同法人が昨年10月に、小学生の保護者を対象として行った調査で、学校外での体験活動を1年間にわたって何もしていなかった割合は、年収600万円以上の世帯は11・3%だったのに対し、300万円未満の世帯は29・9%に上った。
学習塾への月謝など学校外学習費と比べ、体験活動に関する費用は、抑制されやすいとして事業化した。
コロナ禍の収束に伴い学校教育活動の中での体験活動は拡充しつつあるが、学校外での水泳教室などは、世帯収入によって、加入率に差がある。
同法人が拠点を置く墨田区では、先行して、昨年10月から1人5万円分の費用を助成してきた。体験先は、音楽教室をはじめ、スポーツ、野外活動の場を提供する民間団体などからの協力を得て確保している。
事業名は、「ハロカル」。「ハロー」(出会い)、「カルチャー」「ローカル」の意味を持たせた。募る資金の目標金額は2千万円。