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第18回 出光興産 環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○(まる)と×(ばつ)」入賞者が決定!

12面記事

企画特集

環境への意識を行動につなげるコンテストへ

 わたしたちの身近なところにある、いつまでも残したい「○」の風景と、すぐにでも改善したい「×」の風景を写真にして、コメントを添えて作品にする、出光興産(株)主催の第18回(2022年度)環境フォト・コンテストの各賞が決定した。
 本コンテストは、人々の暮らしを支える責任、未来の地球環境を守る責任を果たすことを事業活動のビジョンに掲げる出光興産が、次世代を担う子どもたちに環境問題を身近に感じ、意識を高めてもらう機会を提供することを目的に2005年から開催。学校におけるSDGs教育への関心の高まりを受け、今回の応募作品数は1万4259件、学校団体応募数は580団体を数えるなど、大きなコンテストへと成長している。
 また、近年では写真を撮影して課題を終えるだけでなく、応募作品をもとに学校や地域で発表会を行う、○と×の写真について友達や家族と話し合う、児童生徒が自発的に自分たちのまちをきれいに守ろうとごみ拾い活動を行うといった、環境に対する意識や行動につなげる取り組みに発展しているのが特徴になっている。

海と山、それぞれのゴミ問題をテーマに

 小学校部門で金賞を受賞したのは、大西陽大さん(千葉県)の『魚を守ろう。』だ。青空の下に広がる美しい海原。しかし、ふと足元を見るとテトラポットが連なる岸壁にはペットボトルやプラスチックのかけらなどたくさんのゴミが落ちている―。その対比を見て作者は残念な気持ちになると同時に「ペットボトルが海の中に入ってそれを魚たちが食べて、その魚を自分たちが食べるということを聞いたことがあるので、悲しくなりました。これからごみが海に入らないように、ごみ拾いをしたり、ごみをすてる場所ですてたいと思います。」と決意する。
 ごみが落ちているという悲しい景観だけでなく、そのごみが最終的には人間にまで影響を及ぼす可能性があることも訴えてくる作品として高い評価を受けた。
 中学校部門の金賞は、小野田颯天さん(埼玉県)の『自然の山と街の山』が受賞した。大自然の中にある富士山と街中にあるゴミの山を比較した画面構成に秀でた作品。富士山はどっしりとして雄大だが、ゴミの山は高く積み上がれば上がるほど、もろく崩れ落ちそう。そこから、一人一人が意識して行動することの大切さを考えさせられる。
 作者は「これから、×の写真のような大きな山をたくさんつくらないために、物を大切につかったりするなど、私たちにできることを少しでもいいから行えるようにすると自然環境もよくなると思いました。」と気持ちを表している。

探究する力を育むきっかけとして期待

 高校・高等専門学校部門で金賞に輝いた松尾栞奈さん(大阪府)の『保護と発展』は、青々とした稲穂が実る田んぼの上に人工的な建造物が建てられ、風景が一変したことが如実に分かる作品だ。高速道路建設によってもたらされる社会の発展の重要性を理解しながら、大好きな自然の風景も守っていきたい。そう胸中を語る作者の姿勢には、これからの時代に必要な未来を見据えたメッセージになっていると評価を受けた。
 学校団体部門の最優秀賞は、長崎県立長崎明誠高等学校が受賞した。「生徒たちは本コンテストの目的に共感し、主体的に作品を提出してくれた」と教諭。さらに、この取り組みを通して発見した問題を課題研究へと深化させ解決案を提言し、九州高等学校生徒理科研究発表大会で第2位優秀賞や九州JICA国際協力実体験プログラム最優秀第1位の高い評価を得る生徒たちが現れている。「このコンテストをきっかけに生徒の探究的な活動を高いレベルに引き上げることができた」とコメントしている。
 このように本コンテストは、実社会・実生活の中から自ら課題を見つけ、よりよい解決方法を探り、他者に向けて表現する「探究型学習」のテーマとなる魅力を備えている。今後、その学びを通した自己の変容が、一人一人の持続可能な社会の実現に向けた行動力につながっていくことを期待したい。

 環境フォト・コンテストに関する詳しい情報はホームページまで。
 https://www.idemitsu.com/jp/enjoy/kids/photo/


小学校部門金賞『魚を守ろう。』。美しく広がる海原と対照的な岸壁に放置されたゴミ


中学校部門の金賞『自然の山と街の山』。同じような構図で○と×の対比がうまく表現された作品

今年度の募集を開始!
~未来につなげる「○(まる)」がある。未来に変えたい「×(ばつ)」がある。~

 出光興産(株)は、今年で19回目となる環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○(まる)と×(ばつ)」(後援:環境省、文部科学省)の募集を開始する。
 応募は、小学校、中学校、高校・高等専門学校の部門に分かれており、部門ごとの賞や特別賞として「だったらこうしよう」賞などを設けている。また、学校単位で応募した学校を対象に「学校団体賞」を設け、学校団体応募者全員に参加賞を進呈する。
 各部門賞の審査基準は、写真のクオリティー、○と×の組み合わせとテーマ、作品コメントとして記入された環境に対する視点や考え方を総合的に評価する。募集期間は7月3日から9月29日まで。

問い合わせ
 出光興産株式会社お客様センター 電話0120-132-015
 受付時間 9:00~17:00(土日、祝日、年末年始は除く)
 出光興産株式会社 環境フォト・コンテストお問い合わせ窓口 photocontest@idemitsu.com

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