不登校対応で元校長が書籍 自身の子の経験踏まえ
13面記事 家庭では不登校となった3人の子どもと向き合いつつ、公立小学校3校で校長を務めた大学教員が、登校しぶり・不登校への対応を著書にまとめた。書名は「わが子が『学校に行きたくない』と言ったら」。子育てのヒントをはじめ、学校での不登校対策にも触れている。
著者の大久保俊輝さんは校長在任中から大学での教員養成に携わり、定年退職を迎えてからは、大学に仕事の軸足を移した。現在は麗澤大学特任教授・同大学教職センター長などを務める。
自分の子どもが不登校になった背景として、「私が子供たちにプレッシャーをかけてしまったことが影響している」「自分も頑張っているのだから、おまえたちも頑張れと、精神的な負担をかけてしまっていた」と振り返る。
その上で、「子供のSOSを受け止めるための考え方」に関する章で、叱る際にユーモアを交えることを提唱。ユーモアを交えるために心の余裕が必要なのではなく、逆に、ユーモアを交えることで心の余裕が生まれると説く。
学校での不登校対策としては、長期休業明けに不登校になる児童・生徒が多いことから、休み明けにスポーツの大会や、校外学習を企画し、学校に行くことが楽しくなるように努めたという。
教員の子どもが不登校になることは珍しくないといわれる。小学校教諭に始まり、教頭や教育委員会勤務の経験を持つ著者の言葉は、子育て中の教員には特に響くはずだ。モラロジー道徳教育財団発行。1540円。