へそまがりの魔女
16面記事安東 みきえ 文
牧野 千穂 絵
暗い森に、呪うことしかできない年老いた魔女が住んでいた。人々からは、呪いをかけられたら最後、誰も逃れることはできないと知られていた。
ある時、一人の少女が訪ねて来て、ここに住まわせてほしいと言ってきた。魔女は断ったものの、結局、一緒に住むことになる。
少女は水くみなどの重労働に、文句を言わず、一生懸命に働いていた。
ある日、森に木イチゴを取りに行き、帰りがとても遅くなった。全部取ろうとしたためだ。魔女はとても心配し、少女に「おいしいからといって、全部取ろうとしたらいけない。欲をかいたらいけない」などと叱る。少女は誰かに心配されたことがなく、なぜ魔女が怒るのかも分からなかった。
ひたむきで心優しい少女との出会いで、魔女の心が解きほぐされていく。
(1650円 アリス館)
(Tel03・5976・7011)