イラストの無断掲載に学びたい

　《学年だよりにイラスト無断掲載　フリー素材と誤認　成田市、54万支払いへ》（千葉日報オンライン）という見出しの記事にはどの学校でもハッとさせられるのではないだろうか。教育利用の範疇とはならず、ネットの検索で無料と入れてヒットしてもそれを信じて何の疑いもなしに使ってみたらそうではなかった。当の本人も周りも驚いた事だろう。
　はっきりしていることは、無料と検索に入れたとしてヒットしても正しい情報とは言えないし、発信元が責任を持ってはいないと言うことである。
　当事者には申し訳ないが、ネットモラルを教えるまたは痛感させる出来事として、より深く分析して教材に出来たらかなり有益な出来事になるだろう。
　市は54万円を支払うようだが、それで解決する問題だろうか？そしてその業者はそれを望んでいるだろうか。私なら支払いを頂いた後に、こうした事を防ぐ為に成田市の教育に活用して欲しいと寄付する事を検討するだろう。
　すなわち悪意はないものの、ネット情報を信じ込んではならない事を学ぶ機会にすべきではないだろうか。何故なら54万円は税金から出されるからである。
（おおくぼ・としき　千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事）