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教育フォーラム71 令和の教育課題 学制150年を踏まえて

18面記事

書評

梶田 叡一 責任編集
日本人間教育学会 編
現在、そして未来の教育に期待するもの

 本書は、明治5年の学制発布から150年という歴史を踏まえ、令和の教育課題を特集。今の教育に、そして将来の教育に何を期待するかを18人の執筆者が力のこもった論考や提言を寄せている。
 巻頭論文では、梶田氏が「和魂十則―学制150年を踏まえ新たな『和魂』の育成を」の論題で、学制発布当時は「和魂洋才」だったが、これからの日本の学校教育には、全ての世界から学んでいく「人類才」と新たな「和魂」が必要となると提起。和魂十則として、

 (1) 誠を尽したい
 (2) 他の人の気持ちに配慮した言動でありたい
 (3) 世のため人のためにささやかでも尽したい
 (4) 自分を含め誰もが大きな可能性を秘めた存在であることを大前提としたい
 (5) 自らしかしむる(自然)を大事にしたい
 (6) 美しいもの感動的なものとの出会いを大事にしたい
 (7) 自分を創り生かしてくれている大きな存在に気づき感謝の念をもちたい
 (8) 時に無念無想の時間をもちたい
 (9) ご縁を大事にしたい
 (10) 何事においても「和」の実現と維持を大事にしたい

 ―を掲げている。
 ところで、毎年2号ずつ発行し、35年近く続いてきた本教育フォーラムは、本号が最終号。「学力保障と成長保障の両全」、「自分自身の内部に拠り所を持つ自立した人間」の育成を目指す「人間教育」を探求し続け、全国各地に地道な研究実践の輪を広げる機関誌的役割を果たしてきただけに、惜しむに余りある。
(2860円 金子書房)
(規)

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