電気設備、浸水回避求める 学校の水害対策で手引案
2面記事文科省
学校施設の水害対策を話し合う文科省の有識者会議は4月25日、事務局が示した教育委員会や自治体の治水担当部局向けの手引案を大筋で了承した。水害発生時の児童・生徒の安全確保や、校内の電気設備や重要書類の平時からの浸水対策などを盛り込んだ。5月中に手引を公表し、全国の自治体の関係部署に通知する。
豪雨による災害が近年頻発しており、令和元年の台風19号では2170校が校舎の損壊や浸水などの被害に遭った。令和2年に文科省が実施した調査では、全国の公立学校の約2割が浸水想定区域に立地していたことが分かった。
手引案では、水害発生時には、教育委員会と学校が連携し、子どもの安全確保を最優先するよう指摘。豪雨や台風が予想される場合は、事前に休校にしたり、早めに下校させたりすることも求めた。
教育活動の早期再開には、電気設備の無事が確保されていることが必要になる。そのため手引案は、電気設備のかさ上げなどハード面の対策強化を指摘。重要書類の管理場所の見直しや電子化、被災時の代替教室の確保策の検討などを平時から求めた。