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一刀両断 実践者の視点から【第300回】

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特別支援学級担任による「体罰」

 《特別支援学級の男子児童に体罰 小学校教諭を減給/埼玉県》(テレ玉)という見出しの記事の背景にはかなりの問題が見えてくる。処分をされるとどんな影響が起きるだろうか。そしてそれは改善や対策に影響するだろうか。罰を与えて終わるケースは多く、対応はほとんどそこまでになる。
 この記事にあるように、縄で縛り付けるという行為がなかったらよかったのだろうか。
 私が校長の頃、特別支援学級はひとつの障害ではなく学年も多様な児童が在籍していた。教員の配置は、事情に関係なく7人に1人という基準を設けていた。程度の重い子や多動な子、そして通級も可能な軽度の子たちがいた。
 この子たちを把握するのも難度は高いが、さらにそれぞれの個別指導計画を作り対応する事が求められている。果たしてこのスキルを持っている教師は何人いるのだろうか。
 親の要望をこのような実態で受けねばならない。綱渡りのようなやりくりをし続けている。
 特別支援学級任の成り手がなく、成長課題への理解もあまりなく、普通免許しか持っていない、経験もない教諭を当てざるを得ない実態は連綿と続いている。今回の出来事は想定内となる。それを傍観している教委や首長や文科はどう理解しているのだろうか。理想を言う前に明日からあなたが担任をする気概があるならやって見せなければ現実は何も変えられない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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