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一刀両断 実践者の視点から【第298回】

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教育長の公用車

 広島県の教育長が使ったタクシー代が高額に上っている問題に関し、教育長専用の公用車はなく公用車を使って秘書や職員が教育長を送迎することはできないことになっているとの報道がある。
 このことの意味が分からない。元々、教育長専用車があるのはおかしい。職員が公務で使う公用車は複数台あるはずである。それを使えばよい。極めて理解しにくい。
 そんな事は教育委員会事務局に勤務した経験があれば百も承知の事ではないだろうか。それとも特別なシステムを使っているのだろうか。内部告発をする事も出来ない元教師なら学校現場に出ても隠蔽など平気に行う事になる。
 私はこうした指摘を三度行い、予測通り、あからさまな左遷をして頂いた。すると蜘蛛の子を散らすように権力に擦り寄っていた者は皆去っていった。分かりやすいから、本物しか残らなかった。それが玉石混合から宝となった。
 それにしても財政難から一律何%予算削減と命令されて苦心する担当からしたら、財源が税金なのだから仕方ないと汗と知恵を出すが、タクシーを平気で使う感覚が常軌を逸している。
 自分で運転して学校周りをしている教育長は全国に何人もいる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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