いじめ重大事態、調査項目を国が提示へ 文科省
1面記事 子どもの生命に関わるような、いじめ重大事態の調査について、文科省は学校設置者に標準的な調査項目を提示する考えを示した。これまで調査すべき内容の詳細が決まっていなかったため、調査委員会が膨大な項目を調べているケースがあった。それが調査の長期化につながっているとの課題も指摘されていた。
3月23日に開いたいじめ防止対策協議会で今後の論点を示した。
会議では、日本医師会の渡辺弘司・常任理事が医療事故調査制度について発表した。
渡辺氏は、医療事故調査は、調査する側とされる側で対立構造になりやすい、調査される側が客観性を求める―ことなどが、重大事態調査と共通していると指摘。「調査の標準様式を示すことで遺族が理解しやすくなる」などと述べ、重大事態に調査制度を導入する利点を説明した。
文科省は平成29年に重大事態調査のためのガイドラインを作成しているが、調査項目の詳細は示していなかった。令和3年度に起きたいじめ重大事態は705件。前年度の514件から大きく増加し、過去最多に上った。
この日の会議では、重大事態調査の報告書を国が収集・分析し、未然防止のために活用していく方針も示された。