「探究」指導の要点示す 明治図書刊
12面記事 明治図書は「探究的な学びデザイン」(酒井淳平著)を出版した。著者は高校の新学習指導要領で導入された総合的な探究の時間を、生徒が体験から成長するのと同時に、支える教員に喜びが得られるチャンスと見る。立命館宇治中学・高校で「総合的な探究」の立ち上げに関わった経験から、その実践方法をまとめた。
本書の構成は「総合的な探究」の解説から指導ポイントの提示、最後に事例紹介と続く。「探究を探究しましょう」というスタンスで、円滑に進める方策を提案している。
同校では「お客様から生産者へ」のキャッチフレーズで、学習への受け身の姿勢から、価値を生産する存在への成長を目標とする。
第2章では、教員が抱える課題として、多岐にわたる内容指導、発表の準備などがあることを指摘する。
・教員の役割は生徒と共に学ぶことで、発表は過程を大切にする
・振り返りで生徒に経験から学ばせる
・教員の不安はチームで支える
―といった提案をする。
「総合的な探究」の学びは、生徒の教科学習に影響を与え、以前より学習に取り組むことが期待できる。一方、教員の教科観や授業観に変化を促し、授業中の問いや社会との関連性から深い学びを提供できる。以上のような「探究的な学び」の意義が分かる一冊だ。224ページ、定価2310円。