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一刀両断 実践者の視点から【第263回】

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論説・コラム

行動を伴う「道徳」に

 道徳が形骸化し、無力化し、説教化して行くのになぜ疑問を持たないのだろうか。
 本来の道徳は行動や実行をもって示すから説得力があったが、いつの間にか学者が理論や理屈で雁字搦めにした為に無味乾燥なものとしてしまった。
 これまでの教育が正しいのならば、何故いじめも不登校も青年の自死も家庭内殺人も減らないのか。手段としての教育が間違っているからではないだろうか。
 現状把握や実態把握が真摯にされないのだから手立てとなる教育内容がフィットするわけがないのである。
 私は今、モラロジー道徳教育財団に籍を置いているが、その学祖である廣池千九郎博士は常に実践に照らして行動の人であった事を知って強く感動をした。
 今の道徳のイメージは文頭に示したままではないだろうか。行動を伴わないものとして指導をして来た似非先輩教師が多く居た事を私は忘れない。
 何故なら「君の道徳は生徒指導だね。道徳は内面にじわーっと」と何やら坊さんの説教のように残るものがよかったようだ。
 あの頃の先輩教師のような人はどこへ消えたのか。似たような事を今もしている道徳教師は至る所に存在はしていないか。感動道徳、すなわち心揺さぶるような動徳の授業を目指す仲間は現れないものか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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