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できる評価・続けられる評価

15面記事

書評

澤井 陽介 著
現場の「評価」観踏まえ解説、提案

 文科省の教科調査官(社会科)、視学官経験のある著者が現場の「評価」観に触れ、誤解があれば正し、解説、提案する内容は「目からうろこ」と感じる読者もいるのではないか。
 「評価の基本的な考え方」(第1章)から「資質・能力を評価する着眼点」(第2章)を読むと、目標に準拠した評価や「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」などについて評価する際に、気を付けるべきことが見えてくる。
 「できる・続けられる評価の具体策」(第3章)は10の提案を収める。例えば具体策(1)「資質・能力が見える単元をつくる」は「教師目線の単元を子供目線の単元につくりかえる」ひと手間を入れた上で「子供の学習ストーリーをつくりながら目標を見直す」必要性を指摘する。また、「『教科等ごとに、年間を通じて、どのような単元配列で、資質・能力を育てていこうかと考えること』(評価マネジメント)が大切」(具体策(4)「教科セクトでカリキュラムをマネジメントする」)と、長いスパンでの評価のありように目を向けさせる。
 先生方が日頃からモヤモヤしている事柄にも向き合う。「『知』と『思』は『C』」だが「『主』は『A』にしたい」が…、「文章をうまく書けない子供」は…、受験を前に「結局重視すべきは『知識』」では…など「評価あるある質問」(第4章)の問答を通して、学習評価への理解を深めることができる。
(2090円 東洋館出版社)
(矢)

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