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一刀両断 実践者の視点から【第253回】

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ストレスケアのスキル

 また起きた。何度も繰り返される事件なのに予防が出来ない。
 《「痛い、痛い」老人ホームで入所者に“高温シャワー”被害女性は3か月入院…元職員の21歳女を逮捕》(「イット!」1月11日放送より)という見出しの記事に不適格な要素を見るとともに採用の基準や管理育成体制が揃っていない事が浮き彫りになっている。
 特別養護老人ホームとなると利用者は100歳を超える方も多く、意思の疎通も困難であることを当然と考えねばならない。
 介護の仕事の大変さはやってみないと理解できない。排便でも便が詰まると指を差し込んで掻き出さねばならない。これを頻繁にやりながら食べさせて入浴させるとなると、そのストレスは想像を超えるものとなる。
 こうした介護の実態と待遇が見合っていないのだから、当初は気持ちや使命感が優っても疲労や罵倒や我儘などが重なると忍耐も限界に近づく。
 その時のストレスケアの仕方を頻繁に訓練して、溜め込まないように予防するのが管理者や経営者の責務となる。このスキルを高めない限り第一線の不祥事はなくならない。それは部活も含め学校組織でも頻繁に起き続けている現実ではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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