学校のデジタル化や特定分野の才能支援盛り込む 文科省令和5年度予算案
5面記事 文科省は来年度予算案の一般会計に、前年度比0・2%増の5兆2941億円を確保した。教育分野では学校のデジタル化や中学校部活動の地域移行支援などを盛り込んだ。
学校のデジタル化に関連して、1人1台端末の活用を支える「GIGAスクール運営支援センター」の機能強化を図る。ヘルプデスクの設置やネットワークトラブルに対応する。都道府県が民間事業者に業務委託する費用の一部を国が補助する。教員の校務支援システムの実証研究にも着手し、クラウドに対応した新たなシステムの入れ替えを促す。
小学校の35人以下学級は来年度、新たに4学年に導入するため定数を3283人増やす。義務標準法の改正で令和3年度に2学年で始めてから毎年対象学年を上げている。高学年の教科担任制の推進では950人を加配する。優先対象の4教科で実施できるよう、本年度から4年計画で3800人を増やす。
教員業務支援員(スクールサポートスタッフ)と学習指導員の配置も続ける。学習プリントの準備や採点業務などを手伝うスクールサポートスタッフは前年度より約2千人多い1万2950人を配置する。子どもの学習サポートなどを担う学習指導員は前年度と同様1万1千人を置く。いずれも国が費用の3分の1を負担する。
部活動の地域移行では改革期間の初年度として実証事業を行う。指導者発掘の仕組みや運営団体の体制づくりを研究する。地域移行に向けた本格的な取り組みは令和6年度から始めることとした。
特定分野に才能のある子どもの支援も始める。こうした子どもの認知や発達の特性について教職員の理解を深めるための研修を開発する他、イベントを開く。教育委員会などに委託し、学校現場での実証研究も行う。