不登校支援など実践報告と議論 中教審義務教育WG
11面記事 文科省は昨年12月21日、義務教育の在り方について議論する中央教育審議会のワーキンググループの会合を開いた。不登校傾向の児童・生徒への支援を議題に、不登校特例校の取り組みとオンラインを活用した支援についての報告があった。
小中一貫の不登校特例校である東京都八王子市立高尾山学園の黒沢正明校長は、教育活動の特徴や他校からの受け入れ体制などを発表。不登校対策には習熟度別指導や授業時数の軽減、居場所づくりなどが重要だと指摘した。また特例校の役割として、生徒が信頼できる友人を獲得できる場になることや上級学校に接続できることを挙げ、同校の支援体制を説明した。
校則改革などに取り組む認定NPO法人カタリバの今村久美・代表理事も発表した。「不登校の24・5万人という数字ではなく、長期欠席者が41万人という数字を国として検討課題としていくべきだ」と訴え、国に対し、不登校や不登校傾向にある児童・生徒のより詳しい調査を求めた。また、教育支援センター(適応指導教室)を不登校の児童・生徒を訪問するアウトリーチ型へと転換する必要性なども指摘した。