3日で気が楽になる「親」の本
浅田　和伸　著
文科省職員による子育て応援本

　本書は文科省国立教育政策研究所長（発行時）で、中学校校長を務めた経験のある著者による子育て応援本。「文科省職員の子育て本なんて、どうせお堅い内容に違いない」と思うかもしれないが、著者プロフィルに役職名は書かれておらず、冒頭から、子育てはどうにかなる、親の思い通りになんかならない、しっかりしなくていい―などの言葉があふれる。
　自身の子育てや校長経験を踏まえ、「子育てに悩んだり、自分を追い詰めたりしている親御さんを大勢見てきました。そんな人たちに、だいじょうぶですよ、子どもと一緒に『親』として成長していきましょう」という思いを伝えたくて執筆したという。
　親の基本的な姿勢としては、いつも笑顔、１回の話題で伝えるメッセージは一つだけ、人と比べない、誰かをおとしめるような話題をしない―などを挙げる。でも、子どもが誰かに迷惑を掛けてしまったときは、親が謝る姿をしっかり見せてほしいという。どうしても身に付けさせないといけないこととしては、基本的な生活習慣などを明記した。
　後半の「学校とのつき合い方」では、文科省と学校の両方の現場を知る著者にしか見えなかった内容が易しくまとめられている。
　「人生は、自由で美しいはずのもの」「子どもたちの人生を、そういうものに」との言葉が印象的だった。
（１７６０円　ジアース教育新社）
（巨）