教員採用試験の早期化へ 実施時期2案示す
3面記事協議会が初会合
文科省は10月19日、教員のなり手不足への対応として、採用試験の前倒しや複数回実施などを関係者と話し合う協議会の初会合を開いた。採用試験の実施時期を巡る課題を確認した上で、他の公務員試験の日程を目安とした早期化のイメージを2案示した。来年5月ごろに方針をまとめる。(1面参照)
協議会はオンラインで開かれ、全国の教育委員会と大学の関係者が出席した。
同省は早期化の検討に当たって、地方公務員(上級)と国家公務員のそれぞれの採用試験の日程を目安に
(1) 大学4年の5月に1次試験、7月に2次試験、8月に合格発表という1~2カ月前倒しする案
(2) 大学4年の4月ごろに1次試験、6月に2次試験、7~8月に合格発表という3カ月前倒しする案
―を示した。
それに伴い教育実習を大学3年の10月や4年の5~6月とする考えも提示した。
現状では、教員採用の1次試験は7月1~2週目が最も多く自治体の半数、合格発表は半数以上が10月上旬以降と、いずれも民間企業や地方公務員よりも遅い。
この日の協議会では、志願者を確保するために採用試験の早期化を求める中央教育審議会での委員の意見を紹介。一方、試験の前倒しにより、教育委員会が作問時期を早める必要があることや、学生にとって一般公務員試験の日程と重なる可能性があるなどの課題も示した。