エントランスとエレベーターに設置した「Care222(R)　iシリーズ」

「Care222(R)　iシリーズ」導入施設
学校法人玉川学園

　新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、教育機関での環境衛生対策が重視される中、ウシオ電機が開発した抗ウイルス・除菌用紫外線照射装置「Care222(R)　iシリーズ」を導入する学校が増えている。そこで、学校法人玉川学園（東京都町田市）が、今年春に脳科学研究の拠点として新たに竣工した施設「Human　Brain　Science　Hall」における導入経緯と学園におけるウイルス対策について、総務部管財課の北川昭一課長と岩内久敬課長補佐に話を聞いた。

学校法人玉川学園　総務部　管財課北川　昭一課長（左）、岩内　久敬課長補佐

研究環境の維持や新時代の人材育成の場として、万全のウイルス対策を

　幼稚園から大学院まで約1万人が在籍する玉川学園では、年齢ごとに衛生対策の対応方法が異なるため、新型コロナウイルスの感染が流行り始めた当初より安全委員会を立ち上げるなど対策を講じてきた。「以前からIT化が進んでいたため、大学に限らず幼小中高も対面授業とオンラインを組み合わせるハイブリッド授業をすぐに開始することができました」と北川氏は振り返る。
　とはいえ、学生生活で大切なコミュニケーション活動や人脈づくりが制限されるのは大きなデメリット。学園祭（コスモス祭）や体育祭などの行事も中止や規模の縮小を余儀なくされた経緯があり、1日も早く本来の姿に戻してあげたいというのが偽りのない本音だ。
　そうした渦中で建てられた「Human　Brain　Science　Hall」は、脳科学と人文・社会学の融合による新しい心の科学の創生を目指し、研究者以外の学生や子どもたちにもオープンにする姿勢を取っている。したがって、研究環境の維持はもちろん、新時代の人材育成の場としても安心して学べる環境にしたいという思いから、ウイルス対策にも最新の技術や機器をふんだんに取り入れており、中でも「Care222(R)　iシリーズ」は早い段階で導入を決定したという。

決め手は「人体に悪影響を及ぼさない紫外線」
エントランスとエレベーターに設置

　同ホールは2020年4月から着工が始まったが、直後に緊急事態宣言が発令されて建設作業が中断。設計変更として、換気の強化と建物に入る前の風防室への手洗い器設置を実施した後、教室やオフィスなどの設置場所に合わせて追加する設備として、約40件以上のウイルス対策製品を検討した中から選ばれたのが「Care222(R)　iシリーズ」だった。
　本製品は、抗ウイルス・除菌用紫外線技術「Care222(R)」を搭載することで、従来できなかった有人環境でも使用可能な紫外線照射装置だ。照明器具のように天井など高いところに設置し、除菌したい場所をねらって目には見えない光（紫外線）を照射するだけで、さまざまなウイルスや細菌に対して効果を発揮する。
　導入の決め手としては、国内外の大学・研究機関と「人体に悪影響を及ぼさない紫外線」であることを実証していた点が大きかったと話すのは岩内氏だ。「ウシオ電機さんの説明を受けた学内の産業医による医学的見地からの評価もいただき、エントランスとエレベーターの2カ所に設置しました。エントランスは入館者が通り、必ず手にする受付用の電話機に対して照射。また、11人用のエレベーターでは上部に設置し、通常の換気に加えて浮遊するウイルスへの対策を施しています」

今春竣工した「Human　Brain　Science　Hall」

安心して研究に集中できる環境と評価
すでに次の設置場所の検討も

　設置・稼働後の職員や利用者の反応については、たとえば施設を活用されている脳科学研究所の松田哲也教授からも、コロナ禍に建てられた研究施設として外部から注目されているが、安心して研究に集中できる環境であるとの評価をもらっていると北川氏は話す。
　また、今後の設置拡大予定についても、設置したい場所はたくさんあるとした上で、「食堂やトイレ、アクティブ・ラーニングを行う交流施設などが候補に挙がっているとともに、すでに効率的な除菌が可能な製品の設置の検討・相談も進められています」と積極的な動きを見せている。
　さらに、5年後の完成を目指し新体育館の設計も進んでいる。本学園では、「今後もウイルス対策は教育環境において必須」としており、病院設計などを参考に盛り込んでいく意向だ。
　なお、「Care222(R)　iシリーズ」は、天井工事を行わず簡単に設置できるポールスタンドタイプや、教育機関等からの「1台でより広いエリアを除菌したい」「有人下での紫外線照射においても、常時点灯したい」といった要望に応えた「フラッドタイプ　i―FT」も登場している。