企画展「樋口一葉 生誕150年 我が筆とるはまことなり―もっと知りたい樋口一葉」開催中
5面記事山梨県立文学館
山梨県立文学館は、企画展「樋口一葉 生誕150年 我が筆とるはまことなり―もっと知りたい樋口一葉」を2022年9月17日(土)から開催している。
樋口一葉 (1872~1896) は、24年の短い生涯に「たけくらべ」「にごりえ」など、近代文学史に残る名作を著した。両親は山梨県甲州市塩山出身で、甲州の親戚や知人との交流、山梨を舞台にした作品の執筆など、山梨と深い関わりがある。 本展では、小説の草稿や和歌の詠草、書簡、遺品などを展示し、一葉の生涯とその文学の魅力を紹介する。
貧困のなかで高い志を抱いて創作を続け、政治や社会への関心を持ち、日々を懸命に生きた一葉。展示資料「青海学校小学高等科第四級卒業証書」は一葉が11歳の時のもので、当時小学校高等科(2年間)は、第四級から第一級まで半年ごとに進級した。一葉は最初の学期で「第一號」(首席)だったが、母・たきの意見で第三級に進まず退学。一葉は後にこのことを「死ぬ斗(ばかり)悲しかり」と記している。一葉の姿は、格差や性差別などの問題を抱える現代の私たちの共感を呼ぶと同時に、新たな示唆を与えてくれる。
一葉は歌人として「なつ」「夏子」などと署名した。「詠草(えいそう)」は詠んだ歌や俳諧を紙に書いたもの。彦根に教員として赴任するため東京を去った友人の馬場孤蝶を詠んだ歌の詠草、「たけくらべ」未定稿や一葉が使った文机(ふづくえ)と硯(すずり)・水滴・筆筒(日本近代文学館蔵)なども展示する。
【展覧会概要】
名称
企画展「樋口一葉 生誕150年 我が筆とるはまことなり―もっと知りたい樋口一葉」
会期
9月17日(土)~11月23日(水・祝)
休館日は月曜日、10月11日(火)。ただし10月10日(月・祝)は開館。
会場
山梨県立文学館(山梨県甲府市貢川1―5―35)展示室C
開館時間
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※会期等は変更になる場合あり。詳細は公式サイトを確認。