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一刀両断 実践者の視点から【第221回】

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「遺憾」は「異感」
 
 《ロシア情報機関が日本領事を拘束 “スパイ活動”主張し国外退去求める 日本大使館は抗議》(TBSテレビ)といった見出しの記事を読んだ。
 いよいよ始まったと感じられた。相互の関係からして挑発と受け止めても仕方ない。
 拘束となると大使館の外での行為になるだろうが、正論では通用しないのだから期待はできない。
 ましてや不利な状況にあれば相手の都合を考慮したり配慮したりする事はなく、全てが自国本位のやり方になる。
 日本の西側は中国、北朝鮮、ロシアと、価値観を大きく異にする国ばかりである。
 何かあると遺憾、遺憾と連呼するのが我が国の外交のように感じられてならない。これは対教師暴力で児童生徒から暴力をふるわれても、やり返してはならない、やり返せない教師の姿にも重なる。
 数年前、クラスが荒れていて収拾が困難と判断した校長が体育教師で柔道の猛者に依頼して制圧を指示した。しかし、生徒に顔面叩きを受けて鼻骨を骨折、血液サラサラの薬を飲んでいたので血も止まらず搬送された事件があった。
 この校長は被害届や公務災害の手続きをせずに外部へ知られない為に自腹で治療代を出していた。この生徒は、他の案件もあり措置された。やがてこの校長は市の校長会長になり大学教授になっている。
 この連鎖を止めないと遺憾な素地が分厚くなるだけなのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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