学力底辺校・本気で挑んだ学校改革 5つの視点で当たり前を目指す!
12面記事長谷 博文 著
安川 禎亮 監修
早期にマイナス解消した手法紹介
教員は頑張っているのにさまざまな要因により、校内の課題改善につながっていかない。こんな状況を、子どもの力を高める学校づくりに向けて「目標」「学習環境」「教育活動」「職場環境・校務」「教員研修」の各レベルに校内課題を整理した上で、解決、変えていった校長を中心とした実践の記録である。
例えば「目標レベル」の改善。10年以上改訂されていない学校の教育目標を校長が「改訂を宣言し、原案を作成」後、「意見を教員と保護者から募り、文言の一部を直して決定」。校務分掌、学校行事の目標に教育目標の三つの柱のいずれかを関連させる、年度の重点教育目標を設定して学級目標にも反映させるなど、日常で意識しやすいようにしている。
例えば「教育活動レベル」では、総合的な学習の時間に探究のサイクルを入れる、進級テストで基礎・基本の定着を図る、単元テスト結果の共有、拡大ローテーション道徳、チェンジ型教科担任制導入などを試みた。
改善手法は校長が観察、方向付け、決断、実行する「OODA(ウーダ)ループ」による。マイナス状態から早期に「当たり前のことができる学校」というスタートラインにたどり着いたことの一因でもあろう。改善前後の状態を「Before」「After」で記述し、より良い姿が具体的に体感できる。「Before」部分と似た状態にないか、自校のチェック指標としても使えるのではないか。
(1650円 合同出版)
(矢)