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一刀両断 実践者の視点から【第211回】

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気になる子との交流は40年

 資産家女性殺害容疑の養子の男が自殺し、その後も報道が続いている。記事を読んで背景が様々に浮かんできた。こうした事件は昔からよく起きているが解決の余地がない悲惨さがある。
 養子になったという事は何を意味するのか、斡旋か縁戚かと考えられるが、資産目当てとなると資産がなければそうはならなかった事になる。それにしても資産は欲望を剥き出しにして本性を表すから恐ろしく、分かりやすい指標ではある。
 資産を努力もせずに得た者は、その大半が堕落して行く。ここにむらがる輩はほとんどが紛らわしく近寄って来る。これを見破らないのは慢心があるか隙があるからである。今回の議員と統一協会の関係もその類であろう。
 話を戻すと、この青年は自殺を図った。それをほのめかしていたのだから、罪を償わせる為にも留置施設の大失態は見過ごせない。安倍元首相殺害も含めて実態にそぐわない体質が続いているのだろう。
 この青年はこの事件を起こす前から自己の存在感を否定していたようにも思える。教え子だったら私はどのように関わっただろうか。
 気になる子との交流は40年になる。担任は一生ものだよと捉えているが、他の職員には伝わらなかったようだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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