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一刀両断 実践者の視点から【第200回】

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教科書を超えて教えるべきこと

 はたして8月15日を終戦記念日として教えてよいのだろうか。何故なら以下のような見出しの記事が教材として扱われた記憶がないからである。

 ・ 玉音放送2日後、北海道をソ連兵9000人が奇襲した「知られざる地上戦」(文春オンライン)
 ・「終戦」2時間後、米兵たちは大阪で処刑された(朝日新聞社)

 私の父は終戦後に中国から引き揚げ船で帰国する途中、急に背後から激しい機銃掃射を受けて多くの船舶は沈められたと証言していたが、こうした事は記事にはなっていない。
 戦争は人を狂気とさせてしまう事が分かる。これを歴史で教えるのか、道徳で教えるのかを考える時、普遍のものと、たくみな言い訳や正当化で伝えられる事がある。
 祖国に誇りを持つとは両親や先祖に感謝するとするなら、人の子である限り世界共通の心情である。
 多くの殺人が家庭内で起きている事実がある。子どもの自死が年に500件ほどもあり、その原因は分からないことが多い。このような現状において、私たち教員は何をどのように教える必要があるのだろうか。既に教科書の域はこえているのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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