校則に言いたい! 中高生・親・教師3000人の声
14面記事日本共産党@校則問題プロジェクトチーム 編
理不尽な決まり 見直しの参考に
多くの中学校や高校には、校則がある。評者にも、こんな経験がある。転校先の中学校では、男子の髪形は丸刈りと決まっていた。高校では、学生服と学生帽の着用が義務付けられていた。内心では、嫌だなと思うときがあっても、それを受け入れていたのだった。
頭髪や服装を校則で決めることには、どのような意味があるのか。子どもたちは、どんな気持ちで校則を見ているのか。これらは、学校教育における重要な検討課題である。
本書は、その課題に真正面から取り組んだものである。アンケート調査を通じて集約された中高生や親、教師、そして市民の声。それは、理不尽な校則の実態を明らかにしている。例えば、明るい地毛の黒髪への染髪、ツーブロック禁止、下着の色は白など。納得のいく合理的な説明もないまま、校則だからという理由で強制的に従わされる現実。その背後には、学校における上意下達の組織運営や教師の多忙化などの問題が存在している。
学校教育の目的は、未来の社会を担う主権者としての子どもたちを育むことである。日本国憲法や子どもの権利条約に記された基本的人権や個人の尊厳の観点から、校則を見直していくことが強く求められている。巻末に紹介されている世界の校則は、最小限の決まりを設けることが、子どもの自発性や主体性の発揮につながることを如実に示している。
(1430円 新日本出版社)
(都筑 学・中央大学名誉教授)