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未来の教師と考える特別活動論

14面記事

書評

伊東 毅 著
キャリア教育との関係など解説

 日本の教育では、教科指導と特別活動がいわば車の両輪となっている。本書では特別活動の把握のため、次の公式が掲げられている。
 「学校での教育活動―教科(道徳科を含む)―総合的な学習(探究)の時間=特別活動」
 実際、特別活動の一つ「学校行事」は、教員にとって大きなウエートを占める業務であり、児童・生徒も学校時代の思い出として必ず挙げる。さらに「学級活動」が行事の準備に充てられることも多い。
 特別活動には他にも「児童・生徒会活動」や小学校では「クラブ活動」がある。ただし部活動は含まれない。このように学校において、教科指導と並び重要な特別活動であるが、大学の教職課程での扱いは少ない。教育職員免許法および同法施行規則改正後の教職課程科目では、教科指導に関わる単位が28~30単位に対して、特別活動は道徳、教育相談、生徒指導や総合的な学習の時間、キャリア教育などと合わせて10単位である。
 本書では、特別活動の意義、学習指導要領上の位置付け、歴史的変遷に触れ、「学級活動」から「児童・生徒会活動」「学校行事」の各項目について、丁寧に解説している。さらにキャリア教育と特別活動の関係についても触れている。
 教職を目指している学生はもちろんのこと、若手教員にも特別活動の意義を再認識するために必読の一冊である。
(2530円 武蔵野美術大学出版局)
(中村 豊・公益社団法人日本教育会事務局長)

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