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「かみつき」「自傷」など強度行動障害、教委が福祉施設と対応を研究

2面記事

都道府県教委

群馬県教委

 知的障害があり、日常生活に支障が出るほど自分や他人を傷つける行為に及ぶことがある子どもたちへの対応を充実させようと、群馬県教委は障害者施設と連携して教員研修事業に力を入れている。強度行動障害と呼ばれる行為への対応について、共同研究を行い、特別支援学校の教員の対応力向上を目指す。
 本年度から始めたもので、施設の職員が県立しろがね特別支援学校(前橋市)を訪問し、同校の教員を対象とした研修の場を設けるなどする。同校での実践事例を県内の特別支援学校にも広める考え。
 強度行動障害は突発的に起こり、人にかみついたり、自分の頭を壁にぶつけたりするといった行動が当てはまる。中学生・高校生の世代に多く見られる。教員の身体が傷つくこともある。
 県教委には強度行動障害がある子どもへの対応について、教員や保護者から相談が寄せられていた。共同研究には国立重度知的障害者総合施設の「のぞみの園」(高崎市)が参画している。同施設の職員が県立しろがね特別支援学校を訪ね、対応方法などを指導する。
 県教委は強度行動障害の理解を広めるため、25日には特別支援学校の教員を対象にオンライン研修を実施する。障害の概要など基礎的な知識にとどめ、秋には対応方法などの研修も組みたい考えだ。
 県教委特別支援課の担当者は「(障害がある)本人たちも困っている。教員の理解を深め、適切に対応できるようにしたい」と話す。

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