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公立学校施設整備補助制度の変遷

16面記事

施設特集

情報化への対応から災害対策まで
 公立学校施設整備に係る国庫補助は、戦後、鉄筋コンクリート造校舎の量的拡大への対応に始まり、昭和50年代後半からは教育内容・方法の変化に応じて、教育環境の質的向上へとシフトされた。平成以降はコンピューター教室、校内LAN、GIGAスクール構想といった教育の情報化への対応が図られたほか、平成30年度の臨時特例交付金によって、普通教室への空調整備が集中的に進められた。また、公共施設の中でも遅れているバリアフリー化は、特別支援学校のエレベーター等の設置(平成6~)、小中学校に対象拡大(平成8~)、補助率を2分の1にかさ上げ(令和3~)と現在まで続いている。
 地球温暖化対策への対応としては、エコスクールパイロット・モデル事業(平成9~)、太陽光発電整備(平成21~)。トイレ整備は、単独工事の補助(平成13~)。特別支援学校には、余裕教室等を特別支援学校用に改修するための補助(平成26~)。学校給食施設は、ドライシステムによる施設の新増築を補助(平成18~)、令和2年度の補正で空調整備が推進された。
 子どもが一日の大半を過ごす生活空間となる学校施設の耐震化・長寿命化は、地震による倒壊の危険性が高い施設における補強工事の補助率を3分の2に引き上げ(平成20~)、計画的・効率的な老朽化対策のため、長寿命化改良事業を創設(平成25~)。その一環となる防災機能の強化では、非構造部材の耐震対策、ブロック塀の倒壊防止、屋外防災施設整備(平成24~)が実行された。

令和に引き継がれる課題も
 だが、多目的スペースを有する小中学校が全体の3割、トイレの洋式化は6割弱、バリアフリー化もスロープによる段差解消や車いす用トイレの設置率が低い状況が続いており、いまだ整備が遅れている取り組みも存在する。加えて、災害時に地域の避難所となる体育館の空調整備は1割に満たず、再生可能エネルギーとしての太陽光発電設備の設置率も3割を超えたところであり、令和時代へと引き継がれている課題も残されている。

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