持続可能な社会について学ぶ機会に~令和3年度修学旅行(教育旅行)に関する調査結果から~
11面記事修学旅行で注目している学習のテーマ(複数回答可)
探究・問題解決型学習につながる教育旅行
本紙では、今後の「教育旅行」に関する学校の取り組みを把握するため、今年2~3月にかけて、全国の学校3000校(小・中・高各1000校)を対象にアンケートを実施し、531校から回答を得た。まず、新型コロナが長期化する中で、令和3年度の修学旅行の実施については「実施した、これから実施する」が499校と回答の大半を占め、修学旅行に代わる行事を実施した学校を含めて「実施しなかった学校」は31校と少なかった。
ただし、訪問場所については8割近くが行き先を変更していることから、近隣県に場所を移したり、日数を短縮したりして感染予防に努め、何とか修学旅行を実施した学校が多かったことが推測される。その上で、令和4年度は「コロナ禍以前と同じ時期に実施」が415校に上り、今年こそは従来通りの修学旅行に戻したいと考える学校が多くなっている。
一方、修学旅行で注目している学習テーマでは、「探究学習、問題解決型学習」と答えた学校が309校と最多。座学では得られない体験を子どもの発見や気づきを生む探究の場として活用したい学校が多くなっている。また、次位は「SDGs」の228校。新学習指導要領が目指す「持続可能な社会の創り手の育成」に向けて、以前は多かった「平和学習」や「世界遺産」よりも関心が高まっているようだ。
将来の人材育成という点では、「キャリア教育」189校、「英語学習・グローバル体験、異文化学習」99校にも注目したい。それは「児童・生徒に体験させたいこと」になるとさらに顕著に出ており、最多は「原爆や被災地見学などのホープツーリズム」で変わらないが、「職場体験」と「社会人との交流プログラム」が回答数の2、3位を占めている。
修学旅行先で児童・生徒に体験させたいこと(複数回答可)