「どのように学ぶか」を提案する修学旅行サイトをオープン 大手航空会社2社に聞くこれからの修学旅行(1)
11面記事JAL
これまでの修学旅行において、学校現場は訪問先へのアクセスや人数、コストなどに応じて新幹線、航空機、バス、フェリーといった移動手段を使い分けてきた。だが、新型コロナウイルスの影響により旅行日数が縮小される中で、移動時間の短い航空機を利用することで行動範囲を拡げた学校もみられるようになった。
そこで、全国修学旅行研究協会の協力のもと、航空会社2社にコロナ禍の修学旅行への対応について聞いた。
―コロナ禍前の海外修学旅行の傾向は
2019年度までは、公立高校の訪問先は台湾、シンガポール、マレーシアといったアジア圏が大半で、私立高校になるとアメリカ本土やイギリスまで選択肢が広がっていました。それが2020~2021年度はほとんどなくなり、今年度も問い合わせ自体は増えていますが、やはり国内が中心になっています。海外から国内に切り替えた学校の訪問先としては、沖縄が多いですね。
現状は学校がいくら海外に行きたいと思っても、渡航先の受け入れ態勢ができていないと厳しい。態勢が整ってくれば、私立から徐々に需要が戻ってくるのではと考えています。私立高校は在校中に海外研修や短期留学を実施していたり、姉妹校を持っていたりして、現地とのパイプが強いからです。
―海外修学旅行時に実施しているサポートは
JALでは、これまでも引率する先生方のお役に立てるよう、空港内の導線、チェックインの順番、入国・出国のフォローなどについて、旅行会社と連携してできるだけ配慮するよう努めてきました。また、機内でも楽しんでいただけるように、学校名のアナウンス、ヘッドレストに校名を入れるほか、機内食のアレルギー対応にも応えてきました。現在はアフターコロナに向けて、機内を含めた安心・安全の徹底と周知に力を入れているところです。
グローバル化人材の育成が求められる中では、パスポートの取得からフライトまでの流れを、学生のうちから知識として身に付けておくことも大切な学びの一つになると思っています。
加えて、JAL公式YouTubeチャンネル『JAL on YouTube』では、羽田空港をモデルに国内線・国際線での搭乗の流れを紹介していたり、「なぜ飛行機は空を飛ぶことができるか」など、整備士が航空機の疑問やヒミツについて答えたりする動画を公開しているので、ぜひ視聴してみてください。
―修学旅行の専用サイトもオープン
学習指導要領が改定となり、修学旅行における目的についても「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」が重視されるようになっています。こうしたことから、JALでは地方自治体とともに「主体的・対話的で深い学び」につながる修学旅行を提案するため、修学旅行の専用サイト「JAL修学旅行Webサイト」を開設しました。
本サイトでは、各地域における地域活性化・SDGs等をテーマとしたさまざまな教育素材や、おすすめスポットが含まれるモデルコース等を掲載するほか、各地方自治体の修学旅行Webサイトへのリンクや助成金の情報も掲載。また、JALと各地方自治体による学校関係者向けのオンライン説明会の案内なども順次掲載していく予定です。
今後もこうした各地域との連携を図りながら、生徒にとって質の高い修学旅行を提案・提供すると共に、地域活性化につながる人流の創出を目指したいと考えています。
日本航空 修学旅行専用サイト「JAL修学旅行Webサイト」https://www.jal.co.jp/jp/ja/school/