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文理分断から脱却へ 一斉指導・同一内容見直す 政府・科学技術会議が政策公表

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行財政

会議のまとめを行う岸田首相=首相官邸ホームページ

 政府の総合科学技術・イノベーション会議は2日、教育・人材育成分野で今後5年程度に重点的に取り組む内容をまとめた政策パッケージを公表した。社会構造の変化を背景に、多様性を重視した教育・人材育成システムへの転換を掲げ、教育課程編成の弾力化や文理分断からの脱却などを打ち出した。文科省では今後、中央教育審議会などで具体策を検討する。

 政策パッケージは、一斉授業と形式的平等主義による従来の人材育成から、個別最適な学びと協働的な学びによる多様性を重視した教育・人材育成への転換を掲げた。それに基づき

 (1) 学びの時間と空間の多様化
 (2) 探究・STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育を支えるシステムの確立
 (3) 文理分断からの脱却と理数系のジェンダーギャップ解消

 ―という3本の柱に沿って政策をまとめた。

 時間と空間の多様化について「皆と同じことができることを評価してきたこれまでの教育に対する社会全体の価値観や平均点主義の評価軸を変えていくことも必要」として「一斉指導」や「同一内容」の教育課程の在り方を見直すことを提言した。
 具体例として教育内容の重点化や標準授業時数の弾力化を示した。次期学習指導要領では、こうした方向性に基づき改訂作業を行うことを求めた。
 二つ目の柱の探究・STEAM教育を支えるシステムでは、高専や専門高校を小・中学校のSTEAM教育の拠点とすることを提案。早期STEAM教育の仕組みを本年度から検討することとし、大学入試でも高校での探究的な学びを積極的に評価することを掲げた。
 文理分断からの脱却では、小学校高学年で導入を進めている教科担任制や、普通科高校改革へのインセンティブ付与を盛り込んだ。
 理数系のジェンダーギャップ解消に向けては、女性が出産や育児などのライフイベントと両立できる環境整備を進める。また、理系を選択しない要因を知るための大規模調査を実施することとした。
 政府の会議では他に、教育未来創造会議が高等教育の授業料負担軽減やリカレント教育の充実を中心に議論している。岸田文雄首相は同日、「教育未来創造会議と連携し、初等中等教育から一貫して改革に取り組むことで、政策パッケージのロードマップに沿った取り組みを着実に進め、学びの連続性を確保していく」と述べた。

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