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社会科が好きになる授業づくり入門

16面記事

書評

北 俊夫 著
従来の授業観の変革を提言

 本書は、社会科担当教員はもちろん、日頃、社会科の授業のつくり方や進め方で悩んでいる先生、子どもの指導や育て方で壁にぶつかっている先生、若い教師を指導する先生をはじめ、全ての教員にとっての、授業づくりの指南書だ。
 著者は、公立小学校教員、指導主事、教科調査官、大学教授等を歴任し、50年以上、一貫して社会科の授業参観や授業づくりに関わってきた。その数は優に3千を超す。
 実践と体験によって培われた著者の社会科の「授業を観る目」に圧倒される。「授業とは? 授業における教師の役割とは?」と、読者は、自ら問いを持ち、考えを深めるだろう。
 ChapterI「『よい授業』の要件とは何か」で、いきなり、これまでの「授業観」を覆される。「1 『よい授業』―捉えなおしの視点」として、「教師が指導に困惑している授業」「用意した資料をすべて使わない授業」等、よい授業に関して10(各2ページずつ)記している。一つ一つが圧巻である。「2 社会科の役割と特質とは何か」は、知っておきたい内容だ。
 ChapterII「社会科の授業づくりのポイント」、ChapterIII「社会科好きの子どもを育てる極意」は、ともに参考になる。特に、「授業力を高める授業の観方のポイント」は、研究授業ですぐに活用できる方策が満載である。
 子どもも教師も、社会科が好きになる一冊。
(1320円 文溪堂)
(谷 智子・高知大学客員教授)

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