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一刀両断 実践者の視点から【第159回】

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教え子から犯罪者を出さぬよう

 <「なんで僕を責めるんだ」4630万円“返還拒否”の男性 弁護士は「4月に出頭し2度“任意の聴取”に応じていた」説明>(日テレNEWS)という見出しの記事からいくつかの課題が見えて来る。まずは、当人の認識力である。このお金がどういう性格のものであるかの認識が出来ない知能か、知能はあっても困っている事があったので、そこに使い、穴埋めをして急場を凌ぐとかが考えられる。
 拾得物なら落とし主が現れているのに、拾った者が返さないで使用したとなれば、その行為は窃盗になるだろう。この当然の処理を出来ない行政の問題点が際立っているのではないだろうか。
 このお金が税金から出されているのだから国民全体の問題でもある。それを弁護士が擁護するのだから呆れてしまう。こうした不法行為を担当する弁護士についても疑問を感じる。報酬が目当てならば弁護士自体への信頼度は低下する事は間違いがない。やたらと自分に非があっても「なら、弁護士に頼む」と、開き直る低俗な輩が横行している現実が私の周りにもある。
 丁寧に返金したら、それが好感を持たれて良い方へと人生は変わったはずである。これを教えてこなかったのも教育ではないだろうか。元担任は説得してはどうだろうか。教え子から犯罪者を出さない教師でありたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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