知財創造教育で教材コンテンツ集 高校教員向けに作成
3面記事特許庁
高校の総合的な探究の時間で知的財産への理解を深めてもらおうと、特許庁が高校教員向けの教材コンテンツ集を開発した。教材はSDGsを題材にし、全14種類ある。国語科や情報科でも活用できる。4月28日から同庁のサイトで公開している。
SDGsのうち、「すべての人に健康と福祉を」では、ナイチンゲールがデータを活用して公衆衛生の重要性について啓発したことを素材とした。データの活用を知的財産に位置付け、その意義を考えるといったもの。
この教材は「SDGsと価値創造~探究の入口~」。発明などの知的財産を創造したり、活用したりできる人の育成を目指す知財創造教育に関する内容を盛り込んでいる。
コンテンツ集は
・メイン教材(10種類)
・補強教材(4種類)
・ワークシート
・授業の展開例をまとめた指導案
・手引
―がある。このうち、補強教材は国語や情報I、公民などの教科・科目での活用を想定する。
授業で活用する際は、教員が指導案の授業展開例を基に、スライド形式の教材でSDGsに関連した社会課題や、知財創造に関する内容を解説などする。
特許庁の担当者によると「学校現場では知財創造教育の授業方法が分かりにくい」といった声もあるという。
特許庁が昨年10月下旬から今年2月にかけて公立高校などの教員に実施した聞き取り調査では、知財創造教育について「具体的に何をすればいいか分からない」などが挙がった。
特許庁の沖田孝裕・知的財産活用企画調整官は「他教科でも使いやすい仕様にしているため、授業内容に応じて活用してもらいたい」と話す。
教材は特許庁ホームページからダウンロードする。無料で使用できる。