教職大学院→管理職→大学教員 新たなキャリアパス提案
1面記事文科省
文科省は教職大学院の活用を促すため、修了者の活躍の場を広げる考えを示した。教職の早い時期から学校管理職になってもらい、その後、大学の実務家教員や教育委員会の幹部になる新たなキャリアパスを想定している。4月25日に開いた中央教育審議会の小委員会で提案した。
教職大学院は近年、国立の教員養成大学で修士課程からの移行が進み、定員数が増加。入学定員の充足率は令和元年以降、8割程度まで落ちている。そのため、中教審ではスクールリーダーの養成を掲げる教職大学院の活用策を探ってきた。
文科省はこの日の小委員会で、教職大学院修了者のキャリアパスについて触れ、「学校現場での実践と大学での教員養成を架橋する役割を担う者として、教職大学院修了者をその中心的な対象者として位置付ける」などと提案。その上で、教職大学院修了者が早期に学校管理職を経験した後、教員養成大学や教職大学院で実務家教員となって教師養成を担う。また、大学と教育委員会との連携を強化し、人事交流を促すこととした。
そのために同省では教員養成大学の学部段階でも今後、実務家教員の配置を増やしたい考えだ。
現職教員に対して教職大学院をさらに開放し、教師の学ぶ意欲を喚起するため専修免許状や教職修士の学位を取得しやすくするための方策についても検討する。
小委員会では、教員採用の時期の見直しや社会人登用の拡大策なども併せて議論する予定だ。