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本当は大切だけど、誰も教えてくれない授業デザイン41のこと

16面記事

書評

大前 暁政 著
段階踏み自立というゴール目指す

 インパクトのある題名に引かれ、思わず手に取った。「本当は大切だけど、誰も教えてくれない」の題名が示すように、ここで示される41のデザインは、誰かに教えてもらうものではなく、現場での授業実践を積み上げる中で、自分で気付き、内省し、より洗練された実践を自分でつくり上げていくものなのであろう。
 本書において著者は、授業の発展段階と集団の成長段階をピラミッド型の4段階の階層に分け、土台となる下の段階から順に達成していく必要性を述べている。それは、「安心・安全な集団」での、「できる・楽しい授業」をベースにし、「自立」というピラミッドの頂上をゴールにする。そのための方策として、41の授業デザインをキャッチフレーズとして示している。
 例えば、「授業のゴールには、構造がある」「子どもが間違えそうな状況が、認識の飛躍を促す」「単元の学習中に、内容知と方法知をメタ認知させる」「協同学習を成立させるには、3つの条件がある」などである。
 特に、若手教員が本書を読み、整理された理念を学ぶとともに、自校の児童・生徒の実態を踏まえた日々の自分自身の実践を映し出す鏡となるように活用されることを期待する。
(2486円 明治図書出版)
(重森 栄理・広島県教育委員会総括官(乳幼児教育)(兼)参与)

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