特別免許状活用に向け専門分野の特定など提案 ミスマッチ解消へ
2面記事 文科省は3月25日、教員の養成・採用・研修の改善を検討している中央教育審議会の小委員会で、特別免許状の活用を促すための考え方を示した。採用側の都道府県教委と教員志望者の間でミスマッチが生じている可能性がある、として教える専門分野を特定できるようにすることや採用検定の実施頻度を増やすことを提案した。
同省では、多様な専門性を持つ教員を確保するため、これまでも特別免許状の活用を掲げてきた。ただ、授与件数は年間200件で全体の0・1%にとどまるとして運用の見直しなどを示した。
ミスマッチの一つとして高校の教科区分と専門性の関係を挙げた。例えば「理科」の免許状では物理・化学・生物・地学を教えられることとなっているが、特別免許状の授与対象となるような、民間企業などに勤務する人では専門分野が細分化され、教科が扱う範囲とのずれがあると指摘。特別免許状によって教えられる範囲を、より細分化できるようにすることを提案した。
また、今回の学習指導要領で新設した高校の「理数」のように、対応する免許状のない教科でも教えやすくするための仕組みを検討すべきだとした。
採用時期のミスマッチも指摘した。文科省は指針で、都道府県教委などに対し、特別免許状を与える「教育職員検定」を随時受け付けることを求めているが、改善されず、年1回としている教委が最も多い20件だった。
これを受けて同省では、都道府県教委に働き掛け、面接に限らず書面審査やオンラインで検定を実施できるようにすることを挙げた。