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会社でうつにならないための7つの心の技術

14面記事

書評

くずまき たけじろう 著
思考のコントロール、産業医が助言

 教員の精神疾患による休職者は依然として多く、20代、30代で増加しているという。令和2年度は5180人で前年度より少し減ったものの高止まりが続き、1カ月以上の病気休暇も含めると9千人を超える。職場環境悪化が大きな要因であり、14年間も精神疾患による休職者が減らないのは問題だ。うつになってからの対策ではなく、日頃からの予防が重要である。
 著者は企業の産業医を務め、その経験から本書を執筆した。精神疾患の休職は学校だけの問題ではない。今や、どの職場でも同様の問題を抱え、社会全体で働き方改革が必要だ。
 本書のポイントは分かりやすい。うつにならないための心の技術を記している。主なポイントは、

 ・心のメカニズムを知る
 ・自分の思考の偏りを知る
 ・思考の柔軟性を高める
 ・プチ・ハピネスを大切にする

 ―などである。
 教員は真面目な性格の人が多いため、うつになりやすいとよくいわれる。この本を読んで自分の思考のパターンを理解し、改善を図ることが重要だ。一見当たり前のように思えるが、誰もがそこまで自分自身について分析しているだろうか。
 本書は、さまざまな課題に直面する若手教員はもとより、そのような部下のメンタルヘルスを担う管理職にも、ぜひ読んでほしい一冊である。ただし管理職が休職の原因の場合もあるのでご注意を。
(1540円 青春出版社)
(中村 豊・公益社団法人日本教育会事務局長)

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