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一刀両断 実践者の視点から【第139回】

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論説・コラム

争いとあいさつ

 事が起きたら急に静かになり、タイミングを測って知っていたかのように表に出る輩がいる。普段は豊かさや博識をひけらかしていた臆病な面々は身の危険を感じると黙り込む傾向にある。今こそ経済を含めすべてを投げ出す時ではないのか。
 志願兵士として戦場に出向く事はある意味死を意味する。それに比べれば財などは容易なものではないだろうか。それはしない。
 しかし、危ないぞ!と、民衆を煽るメッセージを平気で放言する輩の何と多いことか、すなわち行動が伴わない偽善者なのである。
 本気の人は見えないところでも、すべきことをしている。偽善者は見えないところでは他人事なのである。
 日本には惻隠の情という言葉がある。それを有名無実にして外面だけで周りを誤魔化しても、その醜さは鏡に映るものである。
 私は侵略が始まった時から1食を減らし、戦場の子供たちを思い浮かべるようにしている。さらに寄付金として日に500円を貯めるようにしている。出来ることはもっとあるはずである。
 先日、中学校で挨拶の授業をした。挨拶で人生が決まる、方向が決まると伝えた。争いは気持ちの良い挨拶が続く限り起きる事はないからである。
 独裁者に自らがならない為に今起きている現実をしっかりと考え、議論し、行動をすることである。それは子供に求める事ではなく、大人や教師が示すことである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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